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壁の向こうからは金属の音が休むことなく聞こえてくる。
金床を打つ音が時を刻むように鳴り響き、それが時間をより長く
辛く感じさせていた。
通路の先の曲がり角からは、溶けた金属の放つ赤い光が漏れているのが見える。
一人監視を命じられた従者が扉の横に立ち、白い仮面を虚空へと向けていた。
正しい時間はわからないが、とうに日は暮れているだろうと二人は感じていた。
すでにトナの身体は強い疲労感と眠気でふらふらとしている。
その身体が傾くたびに鎖が鳴り響き、リリシラの口から悲痛な声が漏れる。
その声を聴いてトナは慌てて姿勢を元の位置に戻す。
それを何度も繰り返しながら二人は眠ることさえできずに、
ただじっと耐え続けていた。
リリシラはここから逃げ出す僅かな望みをかけて、何度も<ヘキサ>の起動を
試みていた。腹の印に手で触れることはできないが、その印に刻まれた長い詩を
呼気を通して血の中に紡ぐことができれば、魔女の力を起こすことができる。
しかし集中しようとしても、心が休まる暇がまるで無い。
口枷と首輪によって血も呼吸も乱れ、どれほど試みても印が反応することは
なかった。
一晩中、鉄を打つ音が響き渡り、それがようやく止んだのは翌日の昼に差し
掛かった頃だった。二人はすでに気力の限界に達し、今にもその場に
崩れ落ちそうな気配を漂わせている。その足元には小さな水たまりができていた。
それは汗ではなく長い責め苦の中で何度も首を締められたリリシラが
耐えきれずに失禁した跡なのだろう。トナの背中には彼女の股の間から
溢れて流れ落ちた跡がはっきりと残っていた。
通路の奥から杖の音とともに主が近づいてくる。重い扉が開いたとき、
二人は視線をゆっくりと起こして主の方へと向けた。
ようやく、その責め苦から解放されるのと思ったのだろう。
ん・・・んんっ うぅぅんっ!
その声には奴隷が許しを乞うような響きがあった。
すでに気位に満ちた表情は失われて、髪は汗で顔に張り付き、
目は涙で濡れていたが、疲れ果てた顔が安堵と歓喜で満たされていく。
しかし主に続いて仮面の従者達が次々と金属具を持ち、部屋へ入ってくるのを
見るうちにその顔はだんだんと恐怖へと変わっていった。
それらはただ虜囚を縛めるためにしては異様に数が多く、重厚で、
複雑な形をしている。
大小様々な鉄の輪に金属棒、弓や矢尻の形をしたもの、複数の小さな鐘、
金属を編み込んだような紐が数本、耳飾りに似た金具が多数。
鞍の形をした巨大な器具には配管が張り巡らされており、その座面には
大小の突起物がある。
二人にはそれらをどう使うのか、まったく理解はできなかった。
しかし、それらが女という形をその中に閉じ込めるものなのだと
感覚的に理解できた。そしてこれが男が用意すると言った特別の衣装であり
その金属の器具が今から彼女達の身体に装着されるのだということも。
んうぅうぅっぅーーーーーー!!
んんんんんんんんっ!
その目は恐怖で怯えながら、問い詰めるような目で主に訴えかける。
それを見た主はやさしい口調で二人に語り掛けた。
ーなぜこんなことをするのか、そう言いたいのであろう?
そうだの。理由は二つあるが。一つは、過去の教訓、であろうなー
主は傍らに佇んでいた従者へ向って、ある書籍名と数字を述べた。
すると、まるでその書が目の前にあるかの如く
仮面の下から無機質な声が上がり、たどたどしく文節を朗読しはじめた。
・・報告のように、魔女が極度の集中状態や激しい攻撃衝動に陥ると
偶発的に力を発揮する現象がたびたび見受けられている。
その犠牲が後を絶たない。多くの命を失い魔女を捕らえたにも関わらず、
数日後には牢の前に新たな死体が転がっているのだ。
力の強さと拘束時間に比例して、暴発の危険性は増大する。
深い力を得た魔女を長期間、安全に管理するには対人と同じ理屈では
不十分なのだ。身体の拘束のみならず、呼吸や血流の制限、集中を阻害する
心身の負荷を考慮にいれるべきなのだろう。
そして多くの事故を起こした残虐な拷問や実験を廃止し、管理体の苦痛を
上手く緩和しつつ攻撃性や自尊心を縮退させる方法を模索していく必要がある。
<魔女の失墜より>
従者はそこで朗読をやめた。
ーこれはな、かつて捕らえた魔女をどのように管理するべきか、
人が苦慮していた時代に書かれた書物の一節よー
そこまで言って、主は二人の足元の水たまりに気がついた。
それを指ですくい取り、擦り合わせる。
ー臨液が混じっておるな。何度も力の起動を試みたようだの ー
彼は指先をじっくりと眺めていた。
ー濁りが少なくて良い色をしておる。呪卵も妙な紋様をしておった。
ぬしらから、どのような<オリニム>が得られるか、楽しみよー
主が水たまりに杖をつくと、それは吸い取られるようにして消えていった。
一ぬしらには もっと”深い”魔女となってもらいたい。
だが手間をかけて育てた挙句に、逃げられるのは避けたいのだー
そう言ったあと主が合図をすると従者達はゆっくりとトナの身体へと
近づいていく。彼女は小さな悲鳴をあげ、彼らが拘束具を持って
自分に近づいてくるのを怯えながら見つめていた。
従者達はまず、彼女の後ろへと周りこむと。簡素だった手枷を新たなものに
変更した。カチりと音がすると、厚みのある枷が吸い付くように腕にはまり込む。
あの薄気味悪い百足が身体を這いずり回ったからなのか、全ての拘束具は
二人の肉体に完全に一致するように設計されているようだった。
以前の枷にあった余裕はなくなり、両手は交差したまま、
全く動かすことができない。
次に巨大な鳥籠のように見える器具が彼女の上半身へとあてがわれ、
金属の帯で乳房の上下を締め付けるようにして嵌め込まれた。
トナの豊かな胸は従者達の手によって狭い隙間から絞りだされて、
すこしずつ締め付けが強くなっていく。最後には、いやらしく強調するように
金具で縁取りされて、留め具を嵌められて固定された。
根本がきつく締め付けられて乳房はだんだと熱を帯びて熱くなり
自然と乳首が膨らんでいく。
んぅぅ。 その姿は裸よりもずっと惨めだった。
二の腕には複数の手枷が嵌められ、両腕を身体に貼り付けるように
連結されていく。そして最後には新しい手枷が背中の中央に固定された。
両手は身体と一体になり、少しも動かすことができない。
例え<ヘキサ>を発動できたとしても、その金属の器具を断ち切ることは
出来そうになかった。
さらに異様に厚みのある角柱の首輪がトナの細い首にあてがわれる。
彼女はその形に見覚えがあった。それは長年愛用していた鉄槌の先端部だ。
傷の位置まで同じだが錆や汚れが消えている。おそらく型取りした鋳型に
溶かした金属を流し込んだのだろう。それが主の美意識によるものなのか
彼女を侮辱するためなのかはわからない。彼女の武器は形を変え、
首輪へと作り替えられていた。
分厚い金属に首を両側から挟みこまると、まだ閉じきっていないにも関わらず
首回りの強烈な圧迫感だけで彼女は息が詰まりそうになった。
従者達が両側からゆっくりと首輪を押し込んでいき、隙間がぴったりと
合わさると、鉄巨人の指で、常に首を締めつけらているような息苦しさだ。
顔が火照りはじめて、呼吸ができなくなった。
ー小さく 息をするのだー
トナが慌てているのを見て、主は静かに言った。
彼女が言われたとおりにすると、かすれた音とともに空気がかすかに
喉を通っていく感覚がする。だが、とても空気が足りずに慌てて
息を吸い込もうとすると再び息が詰まった。
わずかずつしか、息をすることができない。
この首輪を嵌められている限り、その息苦しさからは逃れられず
激しく動き回ることができないようになっているらしい。
んぐぅ・・。
従者達は接合部にある穴に留め具を差し込んで首輪をそこで固定した。
それを怯えながら見つめていたリリシラに従者達が虚ろな仮面を向けると、
彼女は小さな悲鳴をもらした。たった今目の前で行われた恥辱的な見世物と
同じことがこれから彼女の身体にも行われていくのだ。
まだ最初の拘束具をつけただけにすぎないが、トナは厳重すぎるほどに
戒められて逃げだすことなど到底できないように感じていた。にもかかわらず
装着していない器具はまだ山のようにある。執拗なまでの拘束の異常性を
前にして激しく身悶えたがすでに上半身はびくともしない。
その代わりに、身体を動かすたびに絞り上げられた乳房がゆらゆらと揺れる。
その卑猥な姿が嫌でも目に入り、みじめな姿となった自分が心に沁み込んでいく。
それは呪いのように、戦士から哀れな奴隷へとトナの心を蝕んでいった。
従者は次の器具を広いあげ、二人の身体へと近づいてきた。
金床を打つ音が時を刻むように鳴り響き、それが時間をより長く
辛く感じさせていた。
通路の先の曲がり角からは、溶けた金属の放つ赤い光が漏れているのが見える。
一人監視を命じられた従者が扉の横に立ち、白い仮面を虚空へと向けていた。
正しい時間はわからないが、とうに日は暮れているだろうと二人は感じていた。
すでにトナの身体は強い疲労感と眠気でふらふらとしている。
その身体が傾くたびに鎖が鳴り響き、リリシラの口から悲痛な声が漏れる。
その声を聴いてトナは慌てて姿勢を元の位置に戻す。
それを何度も繰り返しながら二人は眠ることさえできずに、
ただじっと耐え続けていた。
リリシラはここから逃げ出す僅かな望みをかけて、何度も<ヘキサ>の起動を
試みていた。腹の印に手で触れることはできないが、その印に刻まれた長い詩を
呼気を通して血の中に紡ぐことができれば、魔女の力を起こすことができる。
しかし集中しようとしても、心が休まる暇がまるで無い。
口枷と首輪によって血も呼吸も乱れ、どれほど試みても印が反応することは
なかった。
一晩中、鉄を打つ音が響き渡り、それがようやく止んだのは翌日の昼に差し
掛かった頃だった。二人はすでに気力の限界に達し、今にもその場に
崩れ落ちそうな気配を漂わせている。その足元には小さな水たまりができていた。
それは汗ではなく長い責め苦の中で何度も首を締められたリリシラが
耐えきれずに失禁した跡なのだろう。トナの背中には彼女の股の間から
溢れて流れ落ちた跡がはっきりと残っていた。
通路の奥から杖の音とともに主が近づいてくる。重い扉が開いたとき、
二人は視線をゆっくりと起こして主の方へと向けた。
ようやく、その責め苦から解放されるのと思ったのだろう。
ん・・・んんっ うぅぅんっ!
その声には奴隷が許しを乞うような響きがあった。
すでに気位に満ちた表情は失われて、髪は汗で顔に張り付き、
目は涙で濡れていたが、疲れ果てた顔が安堵と歓喜で満たされていく。
しかし主に続いて仮面の従者達が次々と金属具を持ち、部屋へ入ってくるのを
見るうちにその顔はだんだんと恐怖へと変わっていった。
それらはただ虜囚を縛めるためにしては異様に数が多く、重厚で、
複雑な形をしている。
大小様々な鉄の輪に金属棒、弓や矢尻の形をしたもの、複数の小さな鐘、
金属を編み込んだような紐が数本、耳飾りに似た金具が多数。
鞍の形をした巨大な器具には配管が張り巡らされており、その座面には
大小の突起物がある。
二人にはそれらをどう使うのか、まったく理解はできなかった。
しかし、それらが女という形をその中に閉じ込めるものなのだと
感覚的に理解できた。そしてこれが男が用意すると言った特別の衣装であり
その金属の器具が今から彼女達の身体に装着されるのだということも。
んうぅうぅっぅーーーーーー!!
んんんんんんんんっ!
その目は恐怖で怯えながら、問い詰めるような目で主に訴えかける。
それを見た主はやさしい口調で二人に語り掛けた。
ーなぜこんなことをするのか、そう言いたいのであろう?
そうだの。理由は二つあるが。一つは、過去の教訓、であろうなー
主は傍らに佇んでいた従者へ向って、ある書籍名と数字を述べた。
すると、まるでその書が目の前にあるかの如く
仮面の下から無機質な声が上がり、たどたどしく文節を朗読しはじめた。
・・報告のように、魔女が極度の集中状態や激しい攻撃衝動に陥ると
偶発的に力を発揮する現象がたびたび見受けられている。
その犠牲が後を絶たない。多くの命を失い魔女を捕らえたにも関わらず、
数日後には牢の前に新たな死体が転がっているのだ。
力の強さと拘束時間に比例して、暴発の危険性は増大する。
深い力を得た魔女を長期間、安全に管理するには対人と同じ理屈では
不十分なのだ。身体の拘束のみならず、呼吸や血流の制限、集中を阻害する
心身の負荷を考慮にいれるべきなのだろう。
そして多くの事故を起こした残虐な拷問や実験を廃止し、管理体の苦痛を
上手く緩和しつつ攻撃性や自尊心を縮退させる方法を模索していく必要がある。
<魔女の失墜より>
従者はそこで朗読をやめた。
ーこれはな、かつて捕らえた魔女をどのように管理するべきか、
人が苦慮していた時代に書かれた書物の一節よー
そこまで言って、主は二人の足元の水たまりに気がついた。
それを指ですくい取り、擦り合わせる。
ー臨液が混じっておるな。何度も力の起動を試みたようだの ー
彼は指先をじっくりと眺めていた。
ー濁りが少なくて良い色をしておる。呪卵も妙な紋様をしておった。
ぬしらから、どのような<オリニム>が得られるか、楽しみよー
主が水たまりに杖をつくと、それは吸い取られるようにして消えていった。
一ぬしらには もっと”深い”魔女となってもらいたい。
だが手間をかけて育てた挙句に、逃げられるのは避けたいのだー
そう言ったあと主が合図をすると従者達はゆっくりとトナの身体へと
近づいていく。彼女は小さな悲鳴をあげ、彼らが拘束具を持って
自分に近づいてくるのを怯えながら見つめていた。
従者達はまず、彼女の後ろへと周りこむと。簡素だった手枷を新たなものに
変更した。カチりと音がすると、厚みのある枷が吸い付くように腕にはまり込む。
あの薄気味悪い百足が身体を這いずり回ったからなのか、全ての拘束具は
二人の肉体に完全に一致するように設計されているようだった。
以前の枷にあった余裕はなくなり、両手は交差したまま、
全く動かすことができない。
次に巨大な鳥籠のように見える器具が彼女の上半身へとあてがわれ、
金属の帯で乳房の上下を締め付けるようにして嵌め込まれた。
トナの豊かな胸は従者達の手によって狭い隙間から絞りだされて、
すこしずつ締め付けが強くなっていく。最後には、いやらしく強調するように
金具で縁取りされて、留め具を嵌められて固定された。
根本がきつく締め付けられて乳房はだんだと熱を帯びて熱くなり
自然と乳首が膨らんでいく。
んぅぅ。 その姿は裸よりもずっと惨めだった。
二の腕には複数の手枷が嵌められ、両腕を身体に貼り付けるように
連結されていく。そして最後には新しい手枷が背中の中央に固定された。
両手は身体と一体になり、少しも動かすことができない。
例え<ヘキサ>を発動できたとしても、その金属の器具を断ち切ることは
出来そうになかった。
さらに異様に厚みのある角柱の首輪がトナの細い首にあてがわれる。
彼女はその形に見覚えがあった。それは長年愛用していた鉄槌の先端部だ。
傷の位置まで同じだが錆や汚れが消えている。おそらく型取りした鋳型に
溶かした金属を流し込んだのだろう。それが主の美意識によるものなのか
彼女を侮辱するためなのかはわからない。彼女の武器は形を変え、
首輪へと作り替えられていた。
分厚い金属に首を両側から挟みこまると、まだ閉じきっていないにも関わらず
首回りの強烈な圧迫感だけで彼女は息が詰まりそうになった。
従者達が両側からゆっくりと首輪を押し込んでいき、隙間がぴったりと
合わさると、鉄巨人の指で、常に首を締めつけらているような息苦しさだ。
顔が火照りはじめて、呼吸ができなくなった。
ー小さく 息をするのだー
トナが慌てているのを見て、主は静かに言った。
彼女が言われたとおりにすると、かすれた音とともに空気がかすかに
喉を通っていく感覚がする。だが、とても空気が足りずに慌てて
息を吸い込もうとすると再び息が詰まった。
わずかずつしか、息をすることができない。
この首輪を嵌められている限り、その息苦しさからは逃れられず
激しく動き回ることができないようになっているらしい。
んぐぅ・・。
従者達は接合部にある穴に留め具を差し込んで首輪をそこで固定した。
それを怯えながら見つめていたリリシラに従者達が虚ろな仮面を向けると、
彼女は小さな悲鳴をもらした。たった今目の前で行われた恥辱的な見世物と
同じことがこれから彼女の身体にも行われていくのだ。
まだ最初の拘束具をつけただけにすぎないが、トナは厳重すぎるほどに
戒められて逃げだすことなど到底できないように感じていた。にもかかわらず
装着していない器具はまだ山のようにある。執拗なまでの拘束の異常性を
前にして激しく身悶えたがすでに上半身はびくともしない。
その代わりに、身体を動かすたびに絞り上げられた乳房がゆらゆらと揺れる。
その卑猥な姿が嫌でも目に入り、みじめな姿となった自分が心に沁み込んでいく。
それは呪いのように、戦士から哀れな奴隷へとトナの心を蝕んでいった。
従者は次の器具を広いあげ、二人の身体へと近づいてきた。
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